2022年8月1日、出前館の配達報酬制度の大幅改定が行われました。
配達員にしてみれば報酬システムの変更が、どのように影響を及ぼすのか気になるところですが、今回の記事では
・新報酬の概要
・従来のシステムとの違い
・変更によって有利になる人
・逆に不利になる人
等について詳しく書いています。
出前館の配達員報酬
8月1日以降、新しい報酬制度になったことによる変更点は二つ。
基本報酬単価の変更と距離制度の導入です。
覚えておくのはこの二点のみで大丈夫です。
従来の出前館の報酬制度は固定されていて、明確で分かりやすいという利点はありましたが、一方で不公平という話が度々出ていました。
確かにそうですよね。
1km未満と4km以上で単価が同じというのは、それぞれ配達にかかる時間を考えれば不自然な話です。
今回の新報酬システムではそういった問題が改善され、短い距離の配達は単価が引き下げられ、遠い距離の配達は単価が引き上げられます。
これまでは出前館で働く際は近い案件のみを選んでおけば良しとされていましたが、今後は距離と単価それぞれを天秤にかけて選んでいくことになります。
特に移動範囲が広いバイクの方は選択肢は広がります。
基本報酬単価の変更
これまでは東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏が715円、沖縄県が550円、それ以外のエリアは660円でしたが、新報酬制度では基本単価が以下のようになります。
首都圏エリア | それ以外のエリア | |
従来の単価 | 715円 | 660円 |
新しい単価 | 600円 | 550円 |
単価だけを見れば稼ぎにくくなったと思われるかもしれませんが、店舗からお客さんまでの距離によっては報酬は増える仕組みになりました。
以下で解説していきます。
距離料金
これまでの報酬システムは距離に関係なく一律でしたが、今後は配達で走った距離によって距離料金というものが適用されます。
首都圏エリア | その他エリア | |
1km未満 | 600円 | 550円 |
1~2km | 660円 | 600円 |
2~3km | 750円 | 670円 |
3~4km | 870円 | 770円 |
※先ほどの基本報酬単価は1km未満の配達を完了した時の値になります。
従来と比べると、短い距離の配達は単価が下がり、2km以上になると微増、3kmを超えると大きく上がります。
これまで避けられがちだった遠距離配達も旨味が出てくるというわけです。
※当初は6月1日に変更されると発表がありましたが、新アプリが導入される7月末を待つ形になりました。
出前館は稼げなくなるのか?
基本報酬単価が下がることで稼げなくなるという話もちらほら聞かれますが、実際はどうなのでしょうか。
確かにマクドナルド等の近距離の配達ばかりを選んでいれば報酬は下がります。
2km未満の配達の単価が引き下げられた以上、これは致し方のないことでもあります。
ですが実際のところはどうでしょうか。少し振り返ってみてください。
近距離の案件ばかりを配達できていましたか?
そうじゃないですよね。
事実、近距離案件は争奪戦でしたし、直近の1年間は3kmを超える配達が増えていました。
そういったことを考えると、よほどマクドナルドばかりを運ぶようなことをしない限り、報酬額が減るようなことは考えにくいです。
そもそもマクドナルドばかりを選んで配達するというのは報酬を増やしていく上で現実的ではありません。
新報酬システム変更で有利になる人
まずは配達エリアの地理に詳しい人。
これは従来の差配システムの頃から言われていましたが、より顕著になりそうです。
新システムになったことで配達距離と報酬額を照らし合わせて配達するかを選ぶことになるため、町名や地理に詳しい人はより有利になります。。
次はバイクの方。
今回の距離報酬システムへの変更で最も恩恵を受けることになるのは原付二種の方だったりもします。
長い距離を素早く運ぶ必要が出てくるため、速度が出せる原付二種は最も優位になります。
逆に自転車の方は不利になる可能性があります。
3km以上の単価が上がったことで、これまでにはなかった遠くの配達を選ぶという選択肢が出てくるわけですが、そうなると自転車は効率が良いとはお世辞にも言えません。
Uber Eatsのように近距離の配達を自転車の配達員に優先して割り当ててくれるならば良いのですが、出前館は自転車もバイクも同じです。
自転車の方にも容赦なくバイクの方と同じように配車を振ってくるため、効率性を上げるならば機動力を上げるしかありません。
最後は郊外の方。
これはバイクの方という前提になりますが、郊外の方も稼ぎやすくなります。
ご存じの方もいるかと思いますが、都市部と比較して加盟店が少ない郊外は基本的に配達距離は長くなります。
さらに基本的に交通量は多くないですし、駐禁のリスクも少ないのでバイクの優位性はかなり上がります。
郊外にお住まいの方は是非ともバイクも検討してほしいところです。
ブーストは継続
単価は変更されましたが、ブーストに関しては継続となります。
以前までは都市部エリアが無条件でブーストが高く設定されることが多かったのですが、新アプリの導入前頃からは需要と配達員の数がよりリアルに反映され、信頼性のある数値になりました。
また、当然ですが、遠い距離の配達の方が、よりブーストの恩恵を受けることになります。
大阪で1km未満の配達
ブースト1.3倍: 550円 → 715円
大阪で3kmの配達
ブースト1.3倍: 670円 → 871円
まとめ
新報酬制度への変更によって改善される部分があるのも事実です。
特に中距離、長距離の配達単価の引き上げはバイク配達員にとっては歓迎すべき点ではないでしょうか。
悪い面ばかりが目立ち、稼げないという声も挙がっていますが、早押しの達人で超近距離の配達しかしてこなかった方以外はむしろ受け取る報酬額は増えると予想しています。
後はバイクですね。
距離報酬が導入されることで走る距離が非常に重要になったりもします。
暑さや体力的な問題も含め、これを機にバイクでの配達に変更してみるのも一つの手かもしれません。